衣笠 杣のインターネット詩集

     おとうさん

   遅れて向かう駅への道すがら
   「おとうさん」
   と声がして、後からすばやく
    自転車が通り過ぎていく

   「おい」
   と言って、振り返る娘の顔を
    しばらくぶりで見る
   元気そうに、足が動いている

   雪の朝、いつもと違う時間
    駅には、娘の姿はもうない
   「おとうさん」
   と心の中で谺す

          平成12年2月 雪の朝


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